アイスだけに

 歯の痛みに自ら鞭打つように、ルマンドのモナカアイスを食べた。千切って分けるタイプのアイスなのだが、其々にルマンドが丸ごと一本ずつ入っているというイカれた構成。味や食感は悪くなかったが、ルマンド味ではなく、バニラ最中にルマンドが4本入っているだけである。よっぽどルマンドが好きじゃないとこんな代物は生み出せないだろう。世の中にはとんでもないルマンド狂が居る。そしてソイツはアイスを舐めてる。

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 リドリー・スコットの『エイリアン』を観た。宇宙船の密室空間で、得体の知れない異星人に翻弄される乗組員たちの様子をスリリングに描いたSFホラー映画。すごい!いわゆるフリの部分にかなりの時間を割いている。それも背景の説明一辺倒ではなく、冷たく虚ろな空気が既に流れていて、焦らされてる感覚が気持ちいい。この映画の異彩を放っている点は、本来決まり手であるエイリアンの輪郭を大オチまではっきり描かなかったことだと思う。乗組員の色恋沙汰からロボットと陰謀までのギミックを一通り見せ、エイリアンに対する観客のボルテージが最高潮になってからようやっと全貌を現す。当の本人は、卓抜したデザインの割に陳腐なハリボテ感を漂わせているのだが、やはり演出の巧さが相まって血の気を引く展開になっている。もう一つの特徴として、主人公が超越的に有能。俺があまりに木偶の坊なもんで、いかにもな敏腕キャラクターが作品内に出てくるとイラッとすることも多いのだが、ここまでの振り回されっぷりは逆に好きになってしまう。Wikipediaを読むとエイリアンは男根を模しており、本作はフェミニズムの話だと書いてあった。ラストにある突然のサービスカットから、間髪入れずエイリアンが襲ってくる一連のシーンは、確かに世の男たちを試している気もする。まあ解釈を抜きにしても十分に楽しめる作品だと思います。これが43年前の映画なの凄すぎるね。古典的な魅力ではなく、現代でも通じうる中身になっています。

 

2022-01-26