II

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 ジョージ・ミラーの『マッドマックス』を観た。「暴走族に妻と子と同僚を殺された警官マックスが、復讐のため暴力に走る」と書いてあったが、妻子が殺されるのは最後の20分くらいで、どちらかというと仲間を主人公に殺された暴走族の復讐がメインに置かれている。それにマックスは初っ端から暴力的だし、後半の妻と子供を巻き込んだ展開はあまりに杜撰。そもそも運びが多角的すぎて、観てる限りでは主役としてのマックスに絶対性がない。色々言いたいことはあるけど、どれもこれも細部に至るまでスケール感があって、カーアクション映画としては強烈な出来だと思う。何より"暴走族"というヒールの立ち位置が秀逸。ギャングとも走り屋とも違う、暴走族としか形容できない性質で、ラリってる云々以前にそもそもがトンマな感じにグッとくる。自分は車とか疎いから十分に汲み取ることは出来てないんだろうけど、エンジン音は確かに興奮するし、躯体による天誅は期待値以上に爽快で、前知識関係なく楽しめる映画になってると感じた。

 

 先日の氷柱に関してだが、未だに窓際を陣取って成長を遂げている。それに留まらず、サイコガンよろしく変形を重ねていて、ウチの家族はこの現象に訝ることもなく、氷柱たちは今やガラスにべったりである。暫くは晴れの日が続くので、この状況もそう長くはないんだろうけど、俺としては急に落ちてきてほしいんだよな。散り際として至高だから。

 

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 ジョン・ウーの『男たちの挽歌II』を観た。前作と同じキャストで、チョウ・ユンファはマークの双子の弟・ケン役で再登場している。香港映画は俺の中で合唱コンクールと同じ位置にある。役者の演技が大味で今作の外人役は外人すぎて逆に外人じゃないくらい。無茶苦茶な割に意外と暗号的な部分もあって、交錯と哀愁に満ちたストーリーも熱いんだけど、この映画の魅力は言わずもがな絶え間のないバイオレンス描写。血の流れてるシーンは全部狂気的に良いです。断末魔がスライドしたり、硝煙の感じもそうだが、水際立った撃ち合いの構図は惚れるより仕方がない。特にラストの殴り込みはサム・ペキンパーの『ワイルドパンチ』を彷彿とさせる。いっそのこと全員死んでも良かった気がするけど、美学としての善悪は示された形かな。

 『男たちの挽歌』っていう邦題良すぎる!ジョン・ウーの次に天才なんじゃないか。原題の『英雄本色(英雄のあるべき姿)』もかなり良いけど、ちょっと漢字すぎる。

 

2022-01-23