ふんだんに使った

 YouTubeで、仮にも違法アップロードだからあまり良くないんだけど、昔の『伊集院光 深夜の馬鹿力』をずっと聴いてる。番組の黎明期から順を追ってアップしているチャンネルも多くて、二十数年前の音源も聴くことができる。トークもコーナーも名作揃いで、時事を扱っていても消耗品にならないのが凄い。中でも俺が好きなコーナーは芸能人選手権シリーズ。

https://youtube.com/playlist?list=PLqhl56r1Q96TFljUhrc4pGktYBeQyJqrF

 伊集院が視聴者に電話をかけて、第二の森進一、ピカチュウタモリなどを探すコーナー。と言っても、伊集院が求めているのは本人の物真似とか知識では無くて、彼らが潜在的に持っている森進一力、ピカチュウ力、タモリ力などをぶつけようとするその姿勢であり、それを確かめる為に伊集院光が全部で10つの問いを投げかける。平たく言えば大喜利で、伊集院の琴線に触れたら◯(複数使用あり)でそれ以外は×という視聴者参加ものとしては異質すぎるコーナーだ。しかし、挑戦者のユーモアセンスが桁違いに高く、また伊集院の包括もやはり巧いため、10問ずっと滑り続ける人は居ないし、ハラハラドキドキさせられる心配もない。とにかく面白い。深夜1時にこんな放送を聴かせられたら溜まったもんじゃないと思う。あと『ユーミンカーニバル』とかのタイトルコールの後に、本人の了承を全く得ていないのか、普通にサンバ調の曲が流れたりするのも良い。企画そのものが奇想天外な上に、裸一貫で瓦を割り続ける挑戦者たちと、彼らと共鳴し合う伊集院の姿に感動すら覚える。特にドラえもん回は名作中の名作。これリアルタイムで聴きたかった。

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 ジェームズ・キャメロンの『エイリアン2』を観た。ストーリーは前作の密室ホラーから一転し、人間部隊とエイリアンたちの戦いを描いたSFアクション映画になっているが、それでもホラー的演出は顕在で主人公もシガニー。こちらも同様に仲間の為ならリスクを辞さない気骨のある人物として描かれており、本作の肝である母子愛も前作との繋がりを考えると粗野だが、決してマイナス要素にはなっていない。アクション面白いね。キャメロン監督の今の技量で出来ること全部やる感じは何十年も観客の心を捉え続けている。前作に引けを取らない屈指の傑作だと思います。

 

2022-01-29

本人

 我が故郷にしかないスーパーマーケットってありますね。地元スーパーブームがいつの日か来ると思っているがどうだろう。あのオリジナリティの無さはむしろ真似できない。底抜けな雰囲気に反して、夜はコンビニないしはイオン(イオンモールではない)とシノギを削っていると思うと可笑しいですね。全く関係ないけど、ダクトとかは繋がってるわけですから。

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 鈴木清順の『東京流れ者』を観た。恋人との結婚を控え、ヤクザから足を洗った青年・哲(渡哲也)の顛末を描いた任侠映画。前半はヤクザ抜き前の一悶着、後半は北国を舞台にした逃避行劇となっていて、たけしの『ソナチネ』を連想せざるを得ない。だが、本作はストーリー云々より鈴木清順の軽妙洒脱な演出、ひいては未だに後続の居ない斬新なカット割りに刮目した方が面白い。色の感覚が優れており、何と言っても後光の鮮明さは見事で、受話器の色にまで確立されている。大事なシーンに限って気の抜けた演出や台詞が挟まれているのも印象深い。すごい変。しかし本作における渡哲也のセックスシンボル的な魅力はどこから湧いてくるのだろう。声が本当にいいです。

 

2022-01-27

アイスだけに

 歯の痛みに自ら鞭打つように、ルマンドのモナカアイスを食べた。千切って分けるタイプのアイスなのだが、其々にルマンドが丸ごと一本ずつ入っているというイカれた構成。味や食感は悪くなかったが、ルマンド味ではなく、バニラ最中にルマンドが4本入っているだけである。よっぽどルマンドが好きじゃないとこんな代物は生み出せないだろう。世の中にはとんでもないルマンド狂が居る。そしてソイツはアイスを舐めてる。

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 リドリー・スコットの『エイリアン』を観た。宇宙船の密室空間で、得体の知れない異星人に翻弄される乗組員たちの様子をスリリングに描いたSFホラー映画。すごい!いわゆるフリの部分にかなりの時間を割いている。それも背景の説明一辺倒ではなく、冷たく虚ろな空気が既に流れていて、焦らされてる感覚が気持ちいい。この映画の異彩を放っている点は、本来決まり手であるエイリアンの輪郭を大オチまではっきり描かなかったことだと思う。乗組員の色恋沙汰からロボットと陰謀までのギミックを一通り見せ、エイリアンに対する観客のボルテージが最高潮になってからようやっと全貌を現す。当の本人は、卓抜したデザインの割に陳腐なハリボテ感を漂わせているのだが、やはり演出の巧さが相まって血の気を引く展開になっている。もう一つの特徴として、主人公が超越的に有能。俺があまりに木偶の坊なもんで、いかにもな敏腕キャラクターが作品内に出てくるとイラッとすることも多いのだが、ここまでの振り回されっぷりは逆に好きになってしまう。Wikipediaを読むとエイリアンは男根を模しており、本作はフェミニズムの話だと書いてあった。ラストにある突然のサービスカットから、間髪入れずエイリアンが襲ってくる一連のシーンは、確かに世の男たちを試している気もする。まあ解釈を抜きにしても十分に楽しめる作品だと思います。これが43年前の映画なの凄すぎるね。古典的な魅力ではなく、現代でも通じうる中身になっています。

 

2022-01-26

神スイング

 YouTubeにある 昔のCM集的な動画をずっと見ていた。時代錯誤によって新鮮味を孕んだちょうどいいエンタメを手ごろに摂取できるのが好きだ。時代の匂いまで感じられる洒落たCMもあれば、荒唐無稽で腹持ちの良いCMもあって、その当時の規模を知ることができる。逆にまだ自分がリアタイした記憶があるようなCMは、思わず泣きそうになっちゃう。例えば、アグネス・チャンの天神やこども社長は大リーグすぎるけど、こつぶチョコシリーズとかアクアビーズアートなんかは、こめかみを打ったようなリリカルな衝撃がある。当時は子供ながら鬱陶しいくらいに思ってたはずなのに。そう考えると、CMって非常に流動的というか、思い出した時が一番旬な気がする。でもなあ。最近のCMで印象に残るものは先ず無いし、そもそも芸当が乏しすぎる。演説系多すぎるし(CMである意味は無い)、信長秀吉とか、あとドラえもんを海外の俳優にやらせるのもういいよ。せめて声だけのぶ代わさびとか、ちょっと工夫しなよ。

 書くことがないので、超新塾早見表を貼ります。

イーグル溝神(ツッコミ)
タイガー福田(ボケ)
サンキュー安富(ボケ)
ブー藤原(ボケ)
コアラ小嵐 (ボケ)
アイクぬわら(ボケ)

高橋ヒロシ(バンド活動時のみ)

 

2022-01-25

 

ら・ら・ら

 左奥歯絶対虫歯だ。何を飲み食いしても、叫ばなきゃ堪忍ならないレベルでシみる。とりわけ冷たいものに対する感度がエグい。分かりやすく言うと、偏頭痛の歯バージョンです。

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 イルミネーション製作の『SING/シング』を観た。コアラの主人公が落ちぶれた劇場を立て直そうと奮闘する話。面白い!吹替版で観たら配役が適宜で、特にMISIAなんか完璧。主人公・ムーンの無鉄砲なコンセプトは正直ありきたりだなと感じていたけど、後半になると力感みなぎる人物に感じられ、人間味溢れる今作を見事に引っ張っていた。現代的なメッセージも強く、意外とやくざな設定もあるが、その世界性ゆえ輪に輪をかけた演出も許され、何よりキャッチーになるのが素晴らしい。また、豊富なギミックは観ていてシンプルに楽しいし、キャラクターがとにかく立ってる。中盤で、ショーの出演者が苦悩している場面に、必ずと言って良いほどミーナが居るというのも良い。ラストのミュージカルシーンも勿論最高だけど、奮起したムーンやエディが身を削って洗車業に励む場面は感動した。滑稽さと哀愁が渾然一体となっているシーンで、この映画の意義をバッチリ見せられた気がする。見る年齢層によって味わいが異なってくる良質な作品でした。少しでもデカい画面で見た方がいいです。

 

2022-01-24

II

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 ジョージ・ミラーの『マッドマックス』を観た。「暴走族に妻と子と同僚を殺された警官マックスが、復讐のため暴力に走る」と書いてあったが、妻子が殺されるのは最後の20分くらいで、どちらかというと仲間を主人公に殺された暴走族の復讐がメインに置かれている。それにマックスは初っ端から暴力的だし、後半の妻と子供を巻き込んだ展開はあまりに杜撰。そもそも運びが多角的すぎて、観てる限りでは主役としてのマックスに絶対性がない。色々言いたいことはあるけど、どれもこれも細部に至るまでスケール感があって、カーアクション映画としては強烈な出来だと思う。何より"暴走族"というヒールの立ち位置が秀逸。ギャングとも走り屋とも違う、暴走族としか形容できない性質で、ラリってる云々以前にそもそもがトンマな感じにグッとくる。自分は車とか疎いから十分に汲み取ることは出来てないんだろうけど、エンジン音は確かに興奮するし、躯体による天誅は期待値以上に爽快で、前知識関係なく楽しめる映画になってると感じた。

 

 先日の氷柱に関してだが、未だに窓際を陣取って成長を遂げている。それに留まらず、サイコガンよろしく変形を重ねていて、ウチの家族はこの現象に訝ることもなく、氷柱たちは今やガラスにべったりである。暫くは晴れの日が続くので、この状況もそう長くはないんだろうけど、俺としては急に落ちてきてほしいんだよな。散り際として至高だから。

 

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 ジョン・ウーの『男たちの挽歌II』を観た。前作と同じキャストで、チョウ・ユンファはマークの双子の弟・ケン役で再登場している。香港映画は俺の中で合唱コンクールと同じ位置にある。役者の演技が大味で今作の外人役は外人すぎて逆に外人じゃないくらい。無茶苦茶な割に意外と暗号的な部分もあって、交錯と哀愁に満ちたストーリーも熱いんだけど、この映画の魅力は言わずもがな絶え間のないバイオレンス描写。血の流れてるシーンは全部狂気的に良いです。断末魔がスライドしたり、硝煙の感じもそうだが、水際立った撃ち合いの構図は惚れるより仕方がない。特にラストの殴り込みはサム・ペキンパーの『ワイルドパンチ』を彷彿とさせる。いっそのこと全員死んでも良かった気がするけど、美学としての善悪は示された形かな。

 『男たちの挽歌』っていう邦題良すぎる!ジョン・ウーの次に天才なんじゃないか。原題の『英雄本色(英雄のあるべき姿)』もかなり良いけど、ちょっと漢字すぎる。

 

2022-01-23

 

みちょ田

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 矢口史靖の『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』を観た。都会育ちの青年・平野が、辺境の地で"林業"に励む話。永遠に観たいと思える映画で、派手な展開はないが、多幸感で爽やかな気分になれる。会話のバランスも絶妙で、一見下劣なシーンも後々に味わいが出てくる不思議な作品。主人公の平野は生意気だが大体に素直だから、林業にハマっていく過程に誇張を感じない。いわゆるお仕事系なんだけど、演出の機転が利いていて臨場感があるし、最大限美化せずに林業の魅力が伝わるというのはかなり理想的だと思う。とにかく伊藤英明の説得力が凄い。無茶苦茶はまり役だと思います。

 少し目を離した隙に、映画の批評サイトもどきになってしまっている。それくらい毎日に話題性がない。もういっそのこと、嘘を書いてしまおうかと思ってる。それか短歌とか書いて、何が何でも我を出そうかと。日記なのに自分を押し殺してる感触があって、それは単に発表するほどの出来事が無いだけだから錯覚でしかないんだけど、見返したときにせめて何かしらの情感が生まれる文章を書きたい。ホントに、祭りみたいな文を書きたい

 

2022-01-22